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2019.11.01 更新

2019年 河川情報取扱技術研修結果


2019年(第25回)河川情報取扱技術研修の開催報告

 一般財団法人河川情報センターは、2019年10月15日(火)~18日(金)までの4日間にわたり「2019年(第25回)河川情報取扱技術研修」を開催致しました。本研修は、河川情報の基礎となる降水量・河川水位・流量の観測や、河川情報活用技術を身につけることを目的として、国、地方公共団体や民間企業などからの受講者35名で行われました。

 本研修受講者には(公社)土木学会のCPDプログラム、(一社)コンサルタント協会のCPDプログラム、(一社)全国測量設計業協会連合会の設計CPDの単位認定修了証が授与されました。

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講義の様子

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解析ソフト操作演習の様子

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現地実習の様子(電波流速計)

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現地実習の様子(ADCP)

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現地見学(荒川知水資料館)

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測器とデータの特性及び取扱実技


 ■ 参加者のご意見


全  体 ・様々な背景の方とお話ができ、この業界の現状を知れて、とても良かった。
・流速の画像解析手法については講義、現地実習、解析ソフトの演習があったため、それぞれをリンクして理解することができた。
講  義 ・基礎から応用まで幅広く学ぶことができた。
・行政の水害への取組み、対応等を身近に感じる事ができた。     
・出水時や防災の話題が多かったため、もう少し平常時の水文データの利活用についての話題もあればいいと感じた。
現地実習 ・普段現場に行かないので、現場の実情を知れて良かった。
・観測機器の実機を確認できたことはイメージが湧きやすかった。     
・現地実習や現地見学については、もう少し時間を取ってほしかった。
討 論 会 ・色々な職種の参加があり、意見の違いや考え方があり、大変参考になった。
・討論を行う中で、視野を広く持つことや柔軟性が大切であると感じた。


 ■ 実施スケジュール


 初日及び2、3日目午後は、河川情報全般に関わる行政システム、観測技術及び河川情報に関する最新技術の動向について、実務経験豊富な方々を講師に招き講義が行われました。

 2日目午前は、受講者がCommonMPの概要と活用・水文水質データベース操作演習、あるいは水文観測の基礎についての講義のいずれかを希望できる選択制講義を実施しました。

 3日目午前は画像解析、電波式流速計、ADCPを用いた流量観測の現地実習と荒川知水資料館の見学、午後は雨量計・水位計・流速計などの観測機器の展示、説明が行われました。

 4日目のグループ別討論会では、受講者が提出したテーマに基づく課題について4つのグループに分かれて討論し、その結果を全体討論で共有し、最後にコメンテーターを交えた議論が深められました。


<1日目(10月15日)>

9:10~9:40 開講挨拶 河川情報と防災
開講の挨拶及び、河川情報の防災への利活用について説明       
(一財)河川情報センター
理事長
布村 明彦
9:40~10:50 治水と水防災の連動に向けた河川情報の的確な適用
河川の計画策定、設計、維持管理、水防災(ハザードマップなどの計画からリアルタイムの高水・はん濫対応)の各段階でプロセス・量の間に矛盾がないよう、河川情報を的確に適用することの重要性について講述
(一財)河川情報センター
河川情報研究所長
辻本 哲郎
11:00~12:00 受講生からの課題提起
自己紹介、受講者各自の要望、疑問や課題等を提起
(一財)河川情報センター
審議役
栗城 稔
13:00~13:50 河川行政と水文観測
技術の進展と行政課題の展開が急な中で、河川行政における水文観測の本質や、水文観測の意義をさらに高めていくための要諦を講述
(公財)河川財団
河川総合研究所長
藤田 光一
13:50~14:50 国土交通省の河川情報施策
河川情報に関する法令・行政と規程、河川情報の利活用の現状と課題、危機管理型水位計システム、革新的河川技術プロジェクト等、河川情報に関する政策等の最新動向について説明
(一財)河川情報センター
研究第2部長
田所 正
15:00~16:00 マイ・タイムライン講習会
河川情報センターで取り組んでいる、住民一人ひとりの水害時行動計画(マイ・タイムライン)普及活動やマイ・タイムラインの有効性について紹介
(一財)河川情報センター
流域情報事業部長
向井 正大
16:00~17:00 河川情報システムによる水文観測データの活用
川の防災情報、危機管理型水位計等の河川情報提供システムの概要とその活用方法等について説明
(一財)河川情報センター
研究第2部長
田所 正

<2日目(10月16日)>

<A班>
9:00~10:00
CommonMPの概要と活用
河川情報におけるCommonMPに関する最新状況及びその活用についての説明
(一財)河川情報センター
情報基盤整備部長
佐々木 一英
<A班>
10:00~12:00
水文水質データベース操作演習
PC実機による水文水質データベースの概要についての説明および取扱操作演習
(一財)河川情報センター
情報基盤整備部
参事 柿澤 一弘
副参事 清 新
<B班>
9:00~12:00
水文観測(降水量、水位、流量)の基礎についての講習
「水文データ・河川情報の利用」、「降水量観測の基礎」、「水位観測の基礎」、「流量観測の基礎」についての講義       
(一財)河川情報センター
審議役 栗城 稔
研究第2部
主任研究員 本永 良樹
13:00~14:00 現地観測における不具合の事例紹介
水文観測の現地において発生する不具合と対応策についての事例紹介
(一財)河川情報センター
研究第2部
研究員 柳町 年輝
研究員 大井 裕樹
14:00~15:20 水理学的知見に基づく流量の算定
<DIEX法 講習と実演>

河道断面内における複数の流速の点データから断面内の面的な流速分布データを算出するDIEX法の理論の講義と、解析ソフト(DIEX-Flow)による河川流量算出の演習
東京理科大学理工学部
教授 二瓶 泰雄
パシフィックコンサルタンツ(株)
柏田 仁
15:30~17:00 流速画像解析手法
<STIV法 講習と実演>

河川を撮影した動画から流速を求める解析手法(時空間輝度勾配法、粒子追跡法等)の講義と、解析ソフト(KU-STIV)による河川流量算出の演習
神戸大学大学院工学研究科
教授 藤田 一郎
(一財)河川情報センター
研究第2部
主任研究員 本永 良樹

<3日目(10月17日)>

9:30~11:30 現地実習
新河岸川の新志茂橋において、ADCP、電波流速計、画像解析による流速計測実習、荒川知水資料館の見学
(一財)河川情報センター
機器メーカー各社【(株)ハイドロシステム開発、横河電子機器(株)】
13:00~15:00 測器とデータの特性及び取扱実技
降水量・水位・流量観測の各測器の実機確認及び計測原理の説明。測器操作の実演、点検作業、動作確認等を説明
機器メーカー各社【(株)拓和、(株)ハイドロシステム開発、横河電子機器(株)】
15:10~16:00 気象の知識
集中豪雨の予測や大雨等の特別警報を含む防災気象情報、特に最近の気象情報の傾向について解説し、活用法を説明
株式会社ハレックス
参与
市澤 成介
13:50~14:50 レーダ雨量計の仕組みと運用
レーダ雨量計の仕組みや原理及び、国土交通省のレーダ雨量計(Cバンドレーダ、XバンドMPレーダ)の運用、順次進められているCバンドレーダ雨量計のMP化等について解説
(一財)河川情報センター
研究第1部長
寺川 陽

<4日目(10月18日)>

9:00~12:00 グループ別討論会
8~9人のグループに分かれ、個別のテーマ(1日目の受講生からの課題提起より選定)についての議論や内容のとりまとめ
(一財)河川情報センター
栗城、寺川、田所、佐々木
13:00~15:30 全体討論(発表および討論)
グループ別討論会でとりまとめた内容のグループ毎の発表及び意見共有、議論
(一財)河川情報センター
栗城、寺川、田所、佐々木
15:45~16:15 課題解決方法に関する作文
本研修で得た河川情報取扱技術に関する知見等に基づいて、1日目に各自が提起した課題の解決方法を記述(後日、講師陣がコメントし、受講者に返送)
(一財)河川情報センター
審議役 栗城 稔
16:15~16:50 修了証授与・閉講挨拶 (一財)河川情報センター
理事
越智 繁雄

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