SIPテーマⅦ 市町村災害対応支援の取り組み内容について
SIP 第2期「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」
テーマⅦ:市町村災害対応統合システム開発
~AI技術を活用、災害時の市町村の適切なタイミング・範囲での避難勧告などの発令判断を支援~
公募のお知らせ(R3.2.2掲載)
「テーマⅦ:市町村災害対応統合システム開発」サブテーマとして「市町村の災害対応の意思決定支援の強化」の研究開発公募が始まりました。詳しい内容や提出書類等は、下記の防災科学技術研究所の公募のサイトURLをご覧ください。
⇒https://www.bosai.go.jp/information/tender/study/research/20210201_01.html
市町村災害対応統合システム(IDR4M)とは
AI技術を活用し、災害時の市町村の適切なタイミング・範囲での避難指示などの発令判断を支援するシステムです。
10分更新で6時間先までの発令単位ごとの警戒レベルを避難判断支援情報として提供します。
観測情報と気象警報等を集約して表示できるので、災害対応中に情報をまとめる手間を減らし、情報の確認遅れや欠落を防止できます。
IDR4Mの操作画面
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エス・アイ・ピー)とは
- 〇SIPとは、内閣府総合科学イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより、科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトです。
- 〇国民にとって真に必要な社会的課題や、日本経済再生に寄与できるような世界を先導する課題に取り組みます。
- 〇平成26年度から平成30年度までの5年間を第1期として11課題(「重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保」のみ平成27年度から令和元年度まで)に取り組み、平成30年度からは第2期として12課題を推進しています。
- 〇各課題を強力にリードするプログラムディレクター(PD)を中心に産学官連携を図り、基礎研究から実用化・事業化、すなわち出口までを見据えて一気通貫で研究開発を推進しています。
SIP 「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」
国家全体の災害被害を最小化するため、衛星、AI、ビッグデータを活用し、避難誘導システム、地方自治体、住民が利活用できる災害情報共有・支援システムの構築等を行い、社会実装します。
テーマⅦ:市町村災害対応統合システム開発の概要
災害時の避難判断や緊急時対応の課題を抜本解決し、避難判断に必要な情報の欠落ゼロ、避難勧告等の発令の出し遅れゼロ、地区単位等小エリア発令により住民の逃げ遅れゼロを可能とする統合システムを開発し、1700市町村へ順次実装する。最先端のAI、IoT技術と既存技術の融合を図り、市町村の適切な判断を支援する。
技術目標
- 〇過去の膨大な災害・防災情報のデータ、実際の災害時の気象情報、河川情報、自動車通行状況、人の移動状況、斜面等の動態状況などのリアルタイム動的情報等からAI分析に必要な情報を抽出し、AI技術を活用して短時間で分析評価し、状況判断や対応の根拠となる情報として分かりやすく表示することにより、市町村長が住民に対して避難勧告・指示等の発令判断をタイムリーに、またその発令エリアを的確に指示し判断することを支援するシステムを開発する。
- 〇クルマ、スマートフォン等の動的IoTセンサーデータからのハザード推定方式、避難所検知、住民影響度推定モデルを構築し、防災用都市モニタリング技術を確立する。
- 〇避難判断や緊急活動の適切な対象範囲や時期の判断に寄与するため、広域かつ高分解能の災害危険個所のスクリーニング技術、防災IoTモニタリング箇所の最適選定技術、低価格の防災IoTモニタリング機器の開発を行う。
- 〇市町村では災害発生前後において、様々な第一次的な災害対応が短時間に集中することとなる。災害が拡大進行していく中で、市町村が行う緊急活動の一つひとつの対応が確実かつ手順良く行われ、その相乗効果を最大化させるため、研究テーマI、II及びSIP4D等と連携しつつ、これらの緊急活動の実施手順を市町村の適切な判断を支援するシステムを開発する。
社会実装目標
- 〇全国約1,700自治体の特徴・特性に応じてカスタマイズして、既に市町村で利活用されている「川の防災情報」の情報提供システムを活用して順次実装する。
- 〇現行の発令基準(災害種別、定量的・定性的基準)と一体的な新システムとすることにより、市町村の避難判断に係る労力や時間等の負担削減を図る。
テーマⅦ:研究開発の全体スケジュール
モデル自治体(2020年5月現在)
システムの汎用性を高めるため、実証実験を全国の代表かつ典型となり得る7モデル自治体を選定
テーマⅦ:研究開発チーム
パンフレット
国家レジリエンス(防災・減災)の強化 テーマⅦ:避難判断・訓練支援等市町村災害対応統合システムの開発
「避難判断・訓練支援等市町村災害対応統合システムの開発(2019年9月)」
(パンフレットはこちらをご覧下さい。)
シンポジウムなどの対外活動
各種シンポジウム、イベントにて研究成果を計3回報告・説明しました。 |
- 〇2019年10月 危機管理産業展2019 「緊急時の情報発信・通信と災害対応データ連携」
- 来場者数 18,486名(全日程)
- 〇2019年12月 令和元年度 河川情報シンポジウム「情報と防災」技術検討報告
- 来場者数 400名以上
- 〇「市町村における適切なタイミング・範囲での避難情報の発令判断支援に向けた検討」
- -SIP(第2期)「市町村災害対応統合システム開発」の取組と進捗-
河川情報シンポジウム講演集
(掲載論文はこちらをご覧下さい。)
- 〇2020年5月 中部地方整備局 水防訓練参加
- 参加機関 内閣府、国土交通省中部地方整備局、名古屋地方気象台、桑名市、三重県、
- (国研)防災科学技術研究所、(一社)日本建設機械施工協会
広報の取り組み
■記者発表により情報を発信
2020年3月、5月にモデル自治体追加公募について、内閣府と国土交通省が同時にプレスリリースしました。 |
- 〇令和2年3月19日 実証実験を行うモデル自治体の募集開始の記者発表をしました。
内閣府(科学技術・イノベーション担当)とSIPテーマⅦの連名発表
(報道発表資料)AIを活用して適時・的確な避難の促進を目指します
⇒https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20200319aisystem.html
国土交通省同時発表
(国土交通省同時発表)自治体の避難支援システム開発に協力します
⇒https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001012.html
- 〇令和2年5月28日 実証実験を行うモデル自治体決定の記者発表をしました。
内閣府(科学技術・イノベーション担当)とSIPテーマⅦの連名発表
(報道発表資料)AIを活用して適時・的確な避難の促進を目指します
~実証実験を行うモデル自治体が決定しました~
⇒https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20200528aisystem.html
国土交通省同時発表
(国土交通省同時発表)4自治体で避難支援システムの開発が始まります
~SIP 市町村災害対応統合システム開発グループにおいて選定結果発表~
⇒https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_001023.html
モデル自治体決定の記者発表後の2020年5月、6月に、新聞記事に取り上げられました。 |
- 〇「西日本豪雨では避難情報を出して一度解除した後、再び発令したケースもあり、判断は難しい。より分かりやすく正確なデータを得て防災力の向上に努めたい。」
(山陽新聞 令和2年6月19日 高梁市担当者)
- 〇「情報発信など、防災のソフト対策を急ぐ必要がある。内閣府と連携し、市民の安全を守りたい。」
(朝日新聞 令和2年5月29日 舞鶴市担当者)
■報道関係
研究開発の取り組み、モデル自治体の実証実験について、テレビや新聞に取り上げられました。 |
- 〇テレビ」「NHKニュースチェック11(全国版)」、NHK総合、平成30年11月5日放送
- 〇テレビ:「ロクいち!福岡」、NHK福岡放送局、令和元年7月3日
- 〇テレビ:「いば6」、 NHK水戸放送局、令和元年7月24日放送
- 〇テレビ:実感ドドド!×四国らしんばん「"豪雨"×"新型コロナ"から命を守る」、
NHK総合 令和2年6月23日放送
NHK九州・四国 令和2年6月19日放送
- 〇新聞:「きょうから実証実験」建設通信新聞、令和元年7月25日
- 〇新聞:「災害時の避難指示にAI活用」、日刊建設工業新聞、令和元年7月25日
- 〇新聞:「AIシステム開発へ」、日本工業経済新聞、令和元年7月27日
- 〇新聞:「迫る危機、新技術生かせ」、日本経済新聞、令和元年11月26日
- 〇新聞:「住民と防災計画、AI予測も駆使」、産経新聞、令和2年7月22日
- 〇新聞:「避難情報 校区単位で 九大グループ実証実験」、読売新聞、令和2年8月30日
お問合せ先
テーマⅦ事務局 一般財団法人 河川情報センター
メールアドレス sip_resilience7[at]river.or.jp([at]を半角@に置き換えてください)