トップページなるほど川の豆知識実務技術者のためのレーダ雨量計講座(平成22年2月更新)
レーダ雨量計の観測特性
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レーダ雨量計の観測特性
 レーダ雨量計は、機器の特性や降雨成因の違いなどによって異なった観測特性を示します。そのため、同一の降雨でも時間と場所によって異なった観測値となります。したがって、レーダ雨量計を連続的に全国合成するためには、適正な雨滴定数B、βを設定するとともに、時々刻々レーダ雨量観測値を定量的に補正する必要があります。

 
 1.レーダ雨量観測値の変動
 レーダ雨量計による観測特性は降雨成因によって異なり、さらに、一降雨の中でも大きく変動することがわかっています。
 レーダ雨量は、地上雨量によるオンライン補正を時々刻々適切に実施することにより、はじめて定量的観測値として扱うことが可能となります。
(前線の例) (台風の例)
レーダ反射因子Zと雨量強度Rの関係   レーダ反射因子Zと雨量強度Rの関係
【図14】 レーダ反射因子Zと雨量強度Rの関係 (降雨成因によってかなりばらつきがあります)

 
 2.観測高度
 レーダ雨量計による降雨観測において、定量観測のための受信電力値が得られる高さは、雨滴が存在する高さです。一般に対流性の激しい雨雲を形成する雷雨や台風性の降雨ではその高さが高くなることがあり、雨量強度の鉛直分布にもばらつきが大きくなります。また、寒候期には低く、暖候期には高いと言われています。
 定量観測範囲より遠方では、ビーム充満率が低下するため、レーダ雨量観測値は、実際の雨量より小さめになることがあります。

※ ビーム充満率
 ビーム充満率とは、雨滴がビーム内を満たしている程度をいいます。レーダ雨量計のアンテナから発射されるビームは、レーダサイトから離れるほどビーム高度が高くなるため一般に遠方ではビーム充満率が下がります。

 
 3.レーダ雨量観測の誤差と対応
 レーダ雨量観測の誤差の発生要因を列挙すると、以下のようになります。それぞれの要因ごとに、装置の改良や運用の適正化を行なうことで観測誤差を減少させるほか、適切な対策が不可能なものに関しては、地上雨量を用いて観測値を補正することで対応する必要があります。
 ・レーダを構成する装置の性能に基づく誤差
 ・レーダビームの伝播特性に基づく誤差
 ・途中降雨減衰による電波の減衰に基づく誤差
 ・地形エコーに基づく誤差
 ・レーダ雨量Rrと地上雨量Rgの測定空間の違いによる誤差
 ・レーダ方程式の仮定条件と気象現象との相違に基づく誤差
 ・レドーム水膜による電波の減衰による誤差
 ・山岳等によるレーダビームの遮蔽による誤差


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