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第21回 河川情報センター講演会 講演記録
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第21回 河川情報センター講演会 講演記録

 近年の水害事例とこれからの治水・防災について

○開催日時 平成24年1月6日(金) 13:20〜15:30
○開催場所 福岡交通センター 9階 大会議室
○講  師 宮村 忠 氏
 関東学院大学 名誉教授
○講演内容
 
 1.東日本大震災について
福島県内の津波被災直後の状況。
気仙沼市での自治体担当者の具体的な苦労話の例。
地震によって発生した利根川下流堤防の被災状況。
九十九里市の津波による被災状況。
 
 2.洪水対応について
昭和22年9月カスリーン台風水害時の警防団(当時、現在の水防団)の活動状況や、地元住民の様々な動きの状況。
静岡県静岡市清水区における治水対策状況や地元民の自助活動の事例、同地区出身の「ちびまる子ちゃん」の作者である「さくらももこ」氏の治水についての啓蒙活動。
堤防が作る文化のひとつとして、築堤により住民が、防災(公助)に頼み、自助(安心)を考慮しなくなる事例。「防災」と「安心」は違う。
水屋や段蔵など、堤防が出来ても自助の対策を行っている事例の紹介。
地元にも上流(ダム)と下流(堤防等)があるが、どちらも公のために土地を手放す等、治水のために協力している。
 
 3.これからの治水について 〜 「線」から「点」へ
盛岡市内を流れている北上川には堤防がない。これは、2つのダム(「点」)で洪水を防御して、堤防(「線」)を作らなかったことによる。結果として、「都市と河川」が調和した非常に望ましい都市が造られた。
堤防は時として、環境を破壊している場合もあり、一般に言われているように環境に優しい治水の方法とは限らない。 例えば、利根川の堤防は高さ13m位のものが450km以上も続いている。あと2m足すと法律の区分によれば、「ダム」になる。ダムが450km以上も並んでいるは不自然。本当に正しい治水の方法といえるのか。堤防を作ることにより、地元の環境(気候)も影響を受けるし、堤防敷のために沿川の沢山の人たちが、土地の提供や移転を余儀なくされてきた。
昔は、土木技術が高度ではなく、現在のような堤防による治水もやむを得なかったが、堤防は、現在の高度な技術を生かせる余地が少ない。
土木技術が高度になった現在においては、この高度な土木技術を活かして、できるだけ「点」で治水を行っていくのが望ましい。例えば、東京都江東区では伊勢湾台風後に高い高潮堤防が出来たため街の環境が非常に悪くなってしまった。現在の技術力であれば、河口堰(潮止堰)を造って高い防潮堤を取り払うことができるので、その方が治水の姿としては望ましい。
スーパー堤防は、「堤防」というより低地の「盛り土」である。そして、この方法により、徐々に現在の形の堤防をなくして堀込み河道にしていくことで治水安全度も非常に高くなるし、河川と人々の接点も増えて環境もよくなる。

【講演会の状況】

 
 

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